哲学を学ぶ高校教師、みそ汁大臣の日誌

高校公民科の教師です。みそ汁大臣とは呼ばれていないです。

哲学~近代哲学②~つづいてルネサンス

あまり更新する時間がなく…マイペースに…

 

ルネサンス

前回「近代哲学」を整理するためにまず「中世哲学」との比較を行いました。

そして今回は「近代哲学」にさらに近づいて「ルネサンス」を整理します。

 

ルネサンス」は、カトリック教会の影響力の低下をきっかけに、キリスト教以前のギリシャ・ローマの文化を復興し、より人間中心的な文化を築こうという機運の高まりです。14C頃からイタリアで始まり、西欧諸地域に広まり、地域によっては17Cの始まりぐらいまでを含みます。

 

人文主義ヒューマニズム)】

ルネサンスの中心は、人文主義ヒューマニズム)と呼ばれる古典文芸の研究による人間のあり方の追求です。そして、注意すべきはこの古典の中には聖書の原典研究なども含まれるという点です。つまり、ルネサンスキリスト教を完全に排すものではなく、「中世哲学」(=カトリック教会)以前の思想に立ち返るものであり、例えば、ピコ・デラ・ミランドラ(15C・名前が可愛いと生徒に人気)やエラスムス(16C)などの人文主義者の主張は、正統教義に外れる、教会を批判するなどの主張であって、キリスト教を否定するものではありません。

 

また、こう捉えるとルネサンスとほぼ同じくして始まったルター(16C)やカルヴァン(16C)による宗教改革も、同じ流れとして捉えることができます。その場合、ルネサンス宗教改革はどちらも教会の支配からの解放を目指す点が共通点です。

そしてルネサンスは、人間の自由な意志を重んじたもの。

一方の宗教改革は、自由意志については否定的ですが、個人の信仰を重んじています。

絶対的なものは教会ではなく神だ!という主張です。

 

まとめると、ルネサンス宗教改革という14C以降の流れは、それまで絶対的な価値観として君臨していたカトリック教会への批判が高まり、より個人による多様な考えが登場する土壌が出来上がっていくものであり、その先に「近代哲学」があるということです。

 

そんなわけで、本日はこれまでです。